古民家は耐震性が低い? 地震に備えた耐震補強の具体的な方法や費用について解説
古民家を所有している方や、購入してリノベーションを検討中の方は、耐震性が気になるのではないでしょうか。そこで今回は、地震に備えて、古民家の耐震性についての基礎知識や補強方法、費用相場まで解説します。補強が難しい場合の対策についても紹介していますので、古民家のリノベーションに関心のある方はぜひ参考にしてみてください。
古民家は耐震性が低い?
古民家は、味わい深い独特の趣があるためリノベーションをして活用したいと考える方もいるでしょう。
しかし、古民家をリノベーションするにあたって、耐震性の問題はつきものです。古民家は、地震に耐えるためではなく、家を揺らす「免震」を前提として、建てられているからです。また、「建築基準法」が定められた後に建てられた古民家でも、現在の基準と異なることが少なくありません。そのため、古民家は「耐震性が低い」といわれやすいのです。今の基準に合わせて、古民家を住めるようにするためには、耐震補強の強化を検討しましょう。
伝統工法と現在の工法の違い
古民家には、伝統工法で作られたものと、現在の工法で作られたものがあります。
- 【伝統工法】昭和25年に「建築基準法」が定められる前に建てられた建物
- 【現在の工法】「建築基準法」が定められた後で建てたれた建物
古民家の伝統工法と、現在の工法は、下記のように建物の建て方や耐震に関する考え方が異なります。
伝統工法
伝統工法は、釘や壁に頼らず、しっかりとした柱と梁で組まれている建物です。伝統工法で作られた建物の特徴と耐震性に対する考え方は、下記の通りです。
- 固めた地面に石を置き、その上に柱を立てて骨組みを組む
- 釘を使わない
- 地震が来た時に家が揺れるように設計されている
- 家が揺れることで建物の崩壊を防いでいる
伝統工法は地震が起きた時に家が揺れるように設計されています。また、揺れた力を壁が吸収して崩れたり、瓦が落ちて屋根が軽くなったりします。あえて一部を崩すことで、家全体を守っているのです。地震に耐えるのではなく、上手に付き合っていくという考えのもとに家を建てていたことがうかがえます。
現在の工法
現在の工法で建てられた古民家は、土台をしっかりと築きその上に建てています。特徴や耐震性に対する考え方は、下記のとおりです。
- コンクリートで固めた基礎の上に柱や梁などを築く
- アンカーボルト・筋交い・火打などを使用して固定する
- 耐震性のために耐力壁を使用する
- 揺れに耐えることを目的に作られている
現代の工法は、揺れに耐えることを目的として作られており、コンクリート土台やアンカーボルト・筋交い・火打などを使用します。また耐力壁も、家の耐震性に重要です。
耐震性の診断方法
「伝統工法」で建てられた古民家はもちろん「現在の工法」で建てられたものの、2000年に改正された建築基準法を満たしていない古民家は少なくありません。古民家を再活用するには、現在の条件をクリアしなければなりません。耐震性の診断方法や具体的な対策法は、下記のとおりです。
基礎(地盤)補強
まずは、基礎(地盤)の補強をして、土台を安定させる必要があります。特に伝統工法で作られている古民家は、土台そのものがないため、一度建物を移動させて土台を作ります。家を動かす方法には以下のような方法があります。
- 曳屋(ひきや):家をそのまま別の場所に移動させる
- ジャッキアップ:家を上に持ち上げる
どちらしても、大掛かりな工事になりますが、しっかりとした土台を作ることで基礎が安定し、現在の基準を満たします。
柱や梁の補強
柱や梁の補強も必要です。柱は壁や屋根を支える大切な役目があるので、柱を補強することで、建物全体の耐震性が増すからです。具体的には、柱と柱の間に筋交いを入れます。筋交いとは、柱と柱の間に入れる部材のことです。柱と柱の間に、筋交いを斜めに入れることによって柱や梁を補強します。
床の補強
建物の経過年数の長い古民家は、床の状態をチェックし、補強をすることも大切です。例えば下記の補強ができます。
- 床下の状態をチェック
- シロアリ対策
- 床組の補強
シロアリによって床下が腐食されていると、地震の際に倒壊するリスクが高くなりますので対策は重要です。また、床組を補強し、柱と固定させることで、家の耐震性が増すでしょう。
屋根の軽量化
古民家は瓦屋根が使われていることが多く、日本独特の趣を感じさせてくれる要素にもなっています。重くて耐久性が高く、台風や地震(「免震」という観点から考えた場合)に強いメリットもあります。
しかし、「耐震性」という観点から考えた場合、重すぎるのが弱点です。そのため、下記の方法で屋根の軽量化をすることがあります。
- 屋根の素材を変えて葺き替える
- 瓦屋根の下地の素材を変える
屋根の素材を瓦屋根から「ストレート」や「アスファルトシングル」に変えたり、屋根の下地の素材を「葺き土」から「鉄板」に変えたりして対策ができます。
古民家の耐震補強にかかる費用
家の年数や状況によって大きく異なりますが、古民家の耐震補強にかかる費用相場は、150〜200万円です。また、下記のことも、考慮に入れておく必要があります。
- 他の部分もリノベーションすることが多い
- 工事を始めると次々に問題を発見することが多い
多くの場合、古民家のリノベーションは耐震補強とともに、床の張り替え・内装工事・水回り・電気配線などを同時に行います。耐震補強の費用だけでなく、全体にかかる金額を計算すると1000〜2000万円ほど必要と考えたほうが良いでしょう。
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古民家を地震から守り、素敵な空間を取り戻すために早めの対策を!
古民家を実際に活用できる状態に整えるためには、耐震性の強化は欠かせません。現在の建築基準法を満たした状態に改善するためには、土台・柱・屋根・壁・床などほぼ全域に手を加えなければなりません。「古民家を壊すのは忍びないけど、そんな費用も労力もかけられない」「なんとか再活用できるようにしたい」と考えている方はぜひ、フリーノベーションをご検討ください。無料査定も行っていますので、気になった方はぜひ、お気軽にご相談ください。
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