空き家の相続人がいない場合はどうなる? 具体例とともに対処法を解説
空き家の所有者が亡くなった際、通常であれば所有権は相続人へと移転されますが、なかには相続人が存在しない状況となってしまうケースもあります。このように、空き家の相続人がいない状況になったらどうなるのか、疑問を抱いている方は多いかもしれません。今回は、空き家の相続人がいない場合の対処法などについて、詳しく解説していきます。
空き家の相続人がいないケースとは?
空き家の相続人がいないケースには以下のような状況があります。1つずつ詳しく解説していきます。
- 相続人が相続放棄した場合
- 相続人と連絡がつかない場合
- 遺言書がなく法定相続人も存在しない場合
相続人が相続放棄した場合
本来、相続人とされる人物が相続を放棄したことによって、空き家の相続人がいない状況になってしまったというケースは少なくありません。相続は、金銭や不動産などをはじめとしたプラスの遺産だけでなく、借金などのマイナスの遺産も対象となります。そのため、相続の対象となる財産を総合的に判断し、相続放棄しなければ損してしまうといった場合、相続人は相続放棄する可能性が高いでしょう。
相続人と連絡がつかない場合
空き家の相続人と連絡がつかないことで、空き家を相続する人がいなくなってしまったというケースもあります。例えば、親子が絶縁状態にあり長年連絡を絶っていた場合や、家系が複雑でそもそも相続人との関係性が薄い場合などは、相続人と連絡がつかない状況になりやすいでしょう。相続人と長年連絡が取れていない人は、相続が発生する前に連絡が取れる状態にしておいたほうがよいかもしれません。
遺言書がなく法定相続人も存在しない場合
空き家の所有者であった人が、遺言書を残さずに亡くなってしまい、なおかつ法定相続人も存在しない場合は、相続人がいない状態となってしまいます。法定相続人とは、配偶者や子、親、兄弟などがあたり、内縁関係や事実婚の相手は該当しません。そのため、遺言書がなければ、内縁関係や事実婚の相手に相続させることができず、相続人がいない状況を作ってしまうことになるので、覚えておきましょう。
空き家の相続人がいない場合はどうする?
実際に空き家の相続人がいない場合は、どうすればよいのでしょうか?ここでは、以下の3つの対処法について詳しく解説します。
- 【相続放棄の場合】放棄人に連絡する
- 相続財産管理人の選任申立を行う
- 国庫に帰属する
【相続放棄の場合】放棄人に連絡する
相続放棄によって相続人がいない場合は、まず放棄人に連絡することになります。相続放棄した人は、実際に空き家を相続する必要はないものの、空き家を管理する義務は残ります。そのため、まずは放棄人に連絡し、一定期間必要な管理を行ってもらうのが通常の流れです。しかし、なかには放棄人と連絡がつかなかったり、スムーズな話し合いが困難だったりする場合もあるでしょう。その場合は、相続財産管理人の選任申立が必要になるので、次の項目で解説します。
相続財産管理人の選任申立を行う
空き家の相続人がいないときは、家庭裁判所にて相続財産管理人の選任申立を行うのが一般的な流れです。これにより、家庭裁判所に相続財産管理人として選任された者は、責任を持って空き家などの相続財産を管理しなければなりません。多くの場合、司法書士または弁護士などの専門家が選任され、必要な公告や相続人不存在確定などの手続きを行い、財産分与を完結させます。
国庫に帰属する
相続放棄人への連絡や、相続財産管理人の選任申立などの必要な手続きをすべて経たうえで最終的に残ってしまった空き家は、国庫に帰属することとなります。特に、空き家を含めたすべての遺産がマイナス財産となっているケースにおいては、最後まで相続先が決まらずに国庫に帰属する可能性が高いといえるでしょう。国庫に帰属することが決まれば、相続財産管理人が行うべき管理事務は完了となります。
空き家は放置するとリスクが大きい
空き家は、放置してしまうことによるリスクが非常に大きいので、注意しなければなりません。空き家を放置すると、以下のようにさまざまなリスクがあることをきちんと理解しておく必要があります。
- 老朽化による倒壊のリスク
- 近隣トラブルを引き起こすリスク
- 放火や犯罪に狙われるリスク
- 周辺エリアの土地の価値を下げるリスク
このように、空き家の放置によるリスクは多方面にわたり、放置を続ければ非常に深刻な問題へと発展してしまう恐れもあるため、早めに適切な対処法を考えるようにしましょう。
不要な空き家を活用する方法
不要な空き家を保有している場合は、放置するのではなく、自分にあった活用方法を考えることが大切です。ここでは、3つの活用方法を紹介していくので、参考にしてみてください。
- 建物を残して売却する
- 更地にして土地活用
- 有効活用する
建物を残して売却する
空き家をそのまま手放すことに抵抗がない場合は、建物を残して売却するという方法を検討してみるとよいでしょう。建物を残したまま売却できれば、面倒な空き家管理をする必要もなくなり、売却金も受け取れます。ただし、空き家の築年数が古くなっていたり、立地条件が悪かったりする場合は、買い手がなかなか見つからずに苦労するかもしれないので、注意が必要です。
更地にして土地活用
不要な空き家を保有している場合は、建物を取り壊し、更地にして土地活用するという方法もあります。例えば、月極駐車場やコインパーキングとして活用するのもよいでしょう。ただし、更地にして土地活用する際の建物の解体費用は、所有者が負担しなければなりません。そのため、土地活用が上手くいかないと、解体にかかった分の費用を回収できない可能性もあるので、事前にしっかりとした計画を立てておく必要があります。
有効活用する
空き家を上手く有効活用するという方法も、検討してみましょう。空き家の有効活用には、さまざまな方法があります。例えば、入居希望者を探して賃貸経営する方法や、レンタルスペースとして利用者を募る方法、シェアハウスや民泊として運営する方法などが挙げられます。ただし、有効活用によって十分な収益を得られるケースがある一方、場合によっては理想通りに活用するのが難しく赤字となってしまうリスクもあるので、注意しましょう。
不要な空き家で賃貸経営!コストゼロ円で始められる「フリーノベーション」とは?
不要な空き家をどうするべきかで困っている人には、コストゼロ円で始められる「フリーノベーション」という活用方法をおすすめします。
フリーノベーションとは、空き家の賃貸借契約を弊社と締結したうえで、弊社にてリノベーションと賃貸経営を行うといったシステムの活用方法です。フリーノベーションなら、オーナー様が負担するコストはゼロ円で、弊社からの家賃を毎月安定して得ることができます。リスクも費用負担もゼロでの空き家活用を可能にした非常におすすめの方法なので、ぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
空き家の相続人がいない場合の対処法を把握しておこう
空き家の相続人がいなくてどうすればよいのか分からないといった状況に陥るケースは、決して珍しいことではありません。そのため、空き家の相続人がいない場合に取るべき行動を把握しておくことは非常に重要です。また、どのような状況であったとしても、空き家を放置することは絶対に避けるべきだということも理解しておきましょう。不要な空き家は、放置せずに活用することが大切です。なかでも、フリーノベーションによる活用は、最もオーナー様にとってのメリットが大きい方法なので、不要な空き家を持つ人は検討してみてくださいね。気になる方は無料査定も行っていますので、ぜひご相談ください。