空き家対策特別措置法とは? 法改正の詳細や空き家の定義についてわかりやすく解説

空き家対策特別措置法は、「空き家問題」を解決するための法律ですが、詳しく理解している方は少ないのではないでしょうか? 実際、所有する空き家を放置するケースは増えてきています。今回は、空き家対策特別措置法や改正について分かりやすく解説していきます。空き家を保有している人はぜひ参考にしてみてください。

 

空き家対策特別措置法とは?

空き家対策特別措置法とは、空き家問題を解決するために、空き家の活用や処分を促していくことを目的として定められた法律です。

具体的な内容としては、放置された空き家に立ち入って必要な調査を行うことや、空き家の所有者に関する個人情報を確認することなどが認められています。さらに、行政から所有者に対して必要な助言や勧告、命令などを実行できるという内容も定められています。

空き家が放置されてしまう事例は年々増加傾向にあり、周囲に悪影響を及ぼしているケースも少なくありません。そのため、空き家対策特別措置法は、これ以上事態が悪化しないようにするための重要な法律といえるでしょう。

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特定空き家となる基準

空き家を放置し続けると、特定空き家に認定される可能性が高まるため、特定空き家となる具体的な基準を把握しておくことはとても大切です。特定空き家となる基準としては、次の通り4つの項目が設けられています。

  • 倒壊など著しく危険な状態であること
  • 衛生上著しく有害となる恐れのある状態であること
  • 適切に管理されていないことで景観を著しく損なっている状態であること
  • 近隣住民の生活環境の保全において放置することが不適切といえる状態であること

上記のような項目に該当する場合、そのまま放置されることが強く問題視されるため、特定空き家に認定される可能性が高くなります。空き家を所有している人は、上記4つの項目に当てはまるかどうかを確認しておきましょう。

 

空き家対策特別措置法が改正

空き家の増加問題を解決することを目的とした「空き家対策特別措置法」が改正され、2023年12月13日に施行されることが決定しました。ここでは、具体的な改正点について、以下の3つのポイントを押さえて解説していきます。

  • 「管理不全空き家」の新設
  • 管理不全空き家になると固定資産税が増える
  • 行政代執行による解体&代執行費用の強制徴収が可能に

 

「管理不全空き家」の新設

空き家対策特別措置法の大きな改正点の1つとなるのが、「管理不全空き家」が新設されるといことです。これまでは、状態が著しく悪く倒壊などの危険性が高いといえる空き家を「特定空き家」に認定する制度がありました。これに加えて、このまま放置状態が続いたら特定空き家になってしまうと思われる空き家を、管理不全空き家として指定する制度が新設されたということです。
管理不全空き家に指定されると、行政から必要な助言や勧告を行うことが可能になり、これまでよりも早い段階で空き家の放置問題に対応できるようになります。

 

管理不全空き家になると固定資産税が増える

法改正により新たに設けられる管理不全空き家に指定されると、毎年の固定資産税の額が増えてしまう可能性があります。そのため、空き家を所有している人は注意が必要です。

固定資産税が増えてしまう理由としては、管理不全空き家になることで、本来適用されていたはずの減免措置が受けられなくなってしまうことが挙げられます。そのため、管理不全空き家に指定されたことで、固定資産税が6倍に増額してしまうケースも多くなるかもしれません。

 

行政代執行による解体&代執行費用の強制徴収が可能に

新たな空き家対策特別措置法によると、放置された空き家の所有者に対して行政から改善を求める勧告や命令が行われたにもかかわらず、必要な対応をしなかった場合、行政代執行が可能となります。

例えば、行政が所有者の同意なしに空き家を解体したり、解体するのにかかった費用を所有者から強制的に徴収したりすることが認められるようになります。このような制度を新たに設けることで、空き家の所有者に対する勧告や命令の重要性がより強く伝わりやすくなることが考えられるでしょう。

 

空き家の適正管理に関する通達の流れ

空き家を所有している方は、適正管理に関する通達の流れも把握しておいたほうがよいでしょう。空き家が一定期間放置されていることが明らかになると、まずは管理不全空き家に指定され、自治体から改善を求める旨の通知を受けることになります。
そして、これに従わなかった場合は、特定空き家に認定され、行政からの助言を受けます。
さらに改善が見られなかった際には、指導、勧告、命令と、徐々に強い内容で改善を促され、最終的には行政代執行が行われるといった流れです。

行政による命令を受ける段階まで進み、これに応じなかった場合は、50万円以下の科料の対象となってしまうので、早めの対応が必要といえるでしょう。

 

空き家管理の方法

空き家の所有者は、空き家を放置せず適切に管理しなければなりません。空き家の管理でやるべきことには、以下のようなものが挙げられます。

  • 掃除
  • 庭の木や雑草の手入れ
  • 老朽箇所の発見・修繕

 

掃除

空き家管理で欠かせないのが、建物及び敷地内の掃除です。人が住んでいない状態が続いてしまうと、家の中には埃が溜まったり、敷地には外からゴミが捨てられてしまっていたりするケースが多くなります。そのため、定期的に空き家を訪れ、全体的に掃除を行うことが非常に大切です。簡単な掃き掃除や拭き掃除を毎月継続して行うだけでも、空き家を衛生的に保つことができるでしょう。

 

庭の木や雑草の手入れ

庭スペースがある空き家の場合は、庭に生えている木や雑草の手入れを定期的に行いましょう。特に、木や雑草が伸びることで隣の敷地まではみ出してしまう可能性がある場合は、放置するとトラブルになるかもしれないので、より注意しなければなりません。こまめに空き家を訪れ、草むしりを行ったり、木の枝の剪定を行ったりすることが大切です。自分で手入れするのが困難であれば、業者に依頼することも検討しましょう。

 

老朽箇所の発見・修繕

空き家を管理するうえでは、老朽箇所を早めに発見し、必要に応じて修繕を行うことも重要です。空き家は、定期的に状態を確認しなければ、老朽箇所が発生していても気づかず、気づいたときには深刻な状態になっている可能性もあります。そのため、こまめに建物の外壁や屋根の軒裏などを目視し、状態をチェックしましょう。早めに老朽箇所を発見し修繕することで、修繕費用も最小限に抑えることに繋がるはずです。

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自分でできない場合は「空き家管理サービス」の利用という選択肢も

空き家を適切に管理するためには、定期的に現地に足を運ぶことが必要不可欠です。しかし、自宅から遠方にあったり、仕事で忙しかったりすると、なかなか足を運ぶ時間を取れない方もいるかもしれません。そのような場合は、管理を委託することができる「空き家管理サービス」を利用するという選択肢もあります。利用料金はかかりますが、自分に代わって必要な管理を行ってもらえる便利なサービスなので、必要があれば検討してみましょう。

空き家管理サービスの費用や内容について

 

そもそも空き家の定義とは?

空き家対策特別措置法によると、建物および付随する工作物が概ね1年間使用されていない状態のことを、空き家として定義しています。

細かい定義には以下のようなものが挙げられます。

  • 倒壊など著しく保安上危険となる可能性がある
  • 著しく衛生上有害となるおそれがある
  • 適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切

空き家と定義される状態のままで放置してしまうと、周囲にさまざまな悪影響を及ぼすことになるため早めに対処しましょう。1つずつ詳しく解説していきます。

 

倒壊など著しく保安上危険となる可能性がある

建物は、まったく使われない状態で放置され続けると、躯体の劣化が進みやすくなってしまいます。人の手によって管理されずに劣化が進んでしまえば、倒壊などの危険性も高まってしまうでしょう。特に、地震や台風などの災害時には、空き家の倒壊により周囲に被害をもたらしてしまうケースも少なくありません。空き家を放置することは、人の命を奪うほどの重大な事故に繋がる恐れがあるということを理解しておく必要があります。

 

著しく衛生上有害となるおそれがある

空き家であることが周囲に周知されると、不法投棄が相次ぐケースは非常に多く、著しく衛生上有害となってしまう可能性があります。例えば、敷地内に大量のゴミが溜まってしまい異臭が発生したり、動物や虫が集まってしまったりすると、周辺の住民へ酷く迷惑がかかってしまうでしょう。衛生上有害な状態で放置することで、近隣トラブルに発展してしまうことも考えられるため注意が必要です。

 

適切な管理が行われず、著しく景観を損なっている

空き家は、適切な管理が行われず、著しく景観を損なってしまう存在になりかねません。例えば、敷地内が雑草だらけになっていたり、建物の汚れが酷く不潔な印象を与えてい