空き家を譲渡するには? 無償譲渡の方法やメリット・デメリットなどを分かりやすく解説
空き家を保有している人のなかには、無償譲渡を検討しているケースも多いかもしれません。しかし、具体的な譲渡方法が分からず、行動できずにいる人もいるでしょう。そこで今回は、空き家を譲渡する方法について、詳しく解説していきます。譲渡することのメリットやデメリットも紹介していくので、ぜひ参考にしてみてください。
不要な空き家を放置するリスク
空き家を保有している人は、まず不要な空き家を保有し続けることのデメリットを理解する必要があります。具体的には、固定資産税を負担し続けなければならない点や、劣化による倒壊の危険性が高まる点、犯罪の拠点として狙われやすくなる点などが挙げられます。
保有する空き家が不要であるからといって放置するのは、リスクが非常に大きいため避けなければなりません。不要な空き家を放置し続けた結果、深刻な事態へと発展してしまった事例も実際にあるので、いくら不要であっても放置はしないように注意しましょう。
空き家を無償譲渡する方法とは
空き家を無償譲渡するには、さまざまな方法があります。そのため、無償譲渡を検討している場合は、自分に合った方法を見つけることが大切です。無償譲渡には主に以下のような方法があります。
- 自治体へ寄付
- 空き家バンクに登録
- 知人に譲る
- 不動産会社に引き取ってもらう
自治体へ寄付
不要な空き家を保有している場合、自治体へ寄付できるケースがあります。市町村などの自治体が寄付を受けてくれれば、安心して空き家を譲渡することができそうですよね。ただし、すべての自治体において必ず寄付できるわけではないため、事前に寄付を受け付けてもらえるかどうかを確認しなければなりません。また、空き家の劣化状況などによって寄付を断られる可能性もあるので、注意しましょう。
空き家バンクに登録
空き家を効率よく無償譲渡する方法として、空き家バンクに登録するという方法もあります。空き家バンクとは、空き家を手放したい人と探している人とをつなぎ合わせるためのプラットフォームで、そのほとんどが自治体によって運営されています。空き家バンクに登録しておけば、自ら譲渡先を探す手間をかける必要がないので、効率よく譲渡先を見つけることができるでしょう。
知人に譲る
身近に空き家を譲り受けてくれる人がいる場合は、知人に譲るという方法もよいでしょう。例えば、空き家の隣に住んでいる人が、自宅の敷地を広げるために空き家ごと譲り受けたいといったケースはよくあります。他にも、親しい知人が空き家をリノベーションして住むことを望んでいる場合なども、無償譲渡が成立しやすいといえるでしょう。
不動産会社に引き取ってもらう
不要な空き家は、不動産会社に引き取ってもらうという方法もあります。不動産会社のなかには、新たな建物を新築するための土地を求めているケースは少なくありません。そのため、空き家を解体し更地にしてから転売することを目的として引き取ってくれる可能性は十分考えられます。土地売買などをメインとしている不動産会社を見つけ、空き家の譲渡が可能かどうかを問い合わせてみるとよいでしょう。
空き家を無償譲渡するメリット
空き家の無償譲渡には、以下のようなメリットがあります。それぞれのメリットの内容を理解することで、空き家の無償譲渡を前向きに検討してみるきっかけになるかもしれません。
- 仲介手数料が不要
- 売却が難しい物件でも手放せる
- 特定空き家に指定されるリスクを避けられる
仲介手数料が不要
空き家を無償譲渡する大きなメリットの1つが、仲介手数料が不要であるということです。売却の場合、買主との仲介業務を担う不動産会社に対し、売却価格に応じた金額の仲介手数料を支払う必要があります。しかし、無償譲渡の場合は金銭を受け取らずに空き家を受け渡すことになるため、仲介手数料が発生しません。仲介手数料を支払うことなく空き家を手放せるのは、大きなメリットといえるでしょう。
売却が難しい物件でも手放せる
空き家の無償譲渡は、一般的に売却が難しいとされる物件であってもスムーズに手放せるというメリットがあります。例えば、築年数が古くなっている空き家や、不便な立地にある空き家を手放そうとする場合、売却しようとしてもなかなか買い手が見つからずに苦労してしまうケースがあります。その点、無償譲渡なら受け取る側の費用負担がないので、譲渡先がより見つかりやすくなることが考えられます。
特定空き家に指定されるリスクを避けられる
空き家を保有したまま放置し続けると、特定空き家に指定されてしまう可能性が高まります。特定空き家とは、放置されている空き家のなかでも特に問題視される状態にある空き家が指定されるものです。特定空き家には罰則もあり、50万円ほどの過料の対象となってしまうこともあります。そのため、空き家を放置せずに早めに無償譲渡して手放すことで特定空き家に指定されるリスクを避けられるのは、大きなメリットといえるでしょう。
空き家を無償譲渡する注意点・デメリット
空き家の無償譲渡にはさまざまなメリットがあると同時に、注意点やデメリットもあるので、きちんと理解しておきましょう。
- 無償譲渡であっても税金が発生する
- 契約や手続きを自分で進める必要がある
- 契約不適合責任を負わなければいけない
- リフォームなど修繕のコストがかかることも
無償譲渡であっても税金が発生する
無償譲渡では税金がかからないイメージを持っている人もいるかもしれませんが、実際には無償譲渡であっても税金が発生するので、正しく理解しておきましょう。空き家の無償譲渡で発生する税金として特に覚えておくべきなのが、贈与税です。贈与税は、無償譲渡によって空き家を受け取った人に対して課税されます。なお、空き家を受け取るのが個人か法人かによって課税される税金が異なるので、事前に確認しておくとよいでしょう。
契約や手続きを自分で進める必要がある
無償譲渡では、基本的に契約や手続きをすべて自分で進めなければなりません。売却であれば、買主との間に仲介業者が入り、契約や手続きも代わりに進めてくれるのが一般的です。しかし、無償譲渡では仲介業者が入ることなく譲渡先との直接取引になるため、契約や手続きを自分で行うのに手間がかかってしまいます。また、個人で取引を進めることから、トラブルが起こりやすいというデメリットもあるので、注意しましょう。
契約不適合責任を負わなければいけない
無償譲渡で空き家を受け渡した場合でも、契約不適合責任を負わなければなりません。契約不適合責任とは、譲渡後に何らかの瑕疵が見つかった際に、譲渡した側に追及される責任のことです。例えば、空き家に雨漏りしている箇所があることを相手方に伝えず、譲渡後に発覚した場合、損害賠償を請求される可能性があります。いくら金銭を受け取らなくても、無償譲渡では一定の責任を負う必要があるので、きちんと理解しておきましょう。
オーナー様の負担ゼロ円で空き家活用ができる!「フリーノベーション」とは?
今後、空き家をどうすればよいのか悩んでいる人は、「フリーノベーション」を活用方法として視野に入れてみるのはいかがでしょうか。
フリーノベーションとは、空き家の賃貸借契約を弊社と結び、弊社の費用負担でリノベーションを行って賃貸経営するといった仕組みの活用方法のことです。この方法なら、オーナー様の費用負担はゼロで、リスクもほとんどありません。安定して弊社からの家賃収入を得ながら、空き家の活用をすべて弊社にお任せいただけます。賃貸契約終了後はリノベーション済みの家が手元に戻るというメリットも。
無償譲渡にはない魅力もたくさんあるので、選択肢の1つとして検討してみてはいかがでしょうか。
自分に合った方法で空き家の譲渡を検討しよう
空き家を無償譲渡するには、さまざまな方法があります。どんな方法で譲渡するのが最適であるかは、状況によって人それぞれ異なるため、自分に合った方法を見つけることがとても重要です。
また、空き家の無償譲渡にはメリットとデメリットの両方があるので、事前にきちんと理解を深めておくようにしましょう。空き家を保有している場合、放置し続けるのは絶対によくありません。今回解説した無償譲渡や、有効活用ができるフリーノベーションなどの方法も視野に入れながら、今後の方針を検討してみてください。