空き家を相続することになったら! 対処法や税金、相続放棄についても解説

思いがけず空き家を相続することになったという方もいるでしょう。しかし相続後、何気なくそのまま空き家を放置してしまうと、問題が発生してしまうかもしれません。今回は、空き家相続後の対処から相続放棄、税金や3000万円控除特例についてまで、詳しく解説します。

 

空き家を相続する際に押さえておくべきこと

空き家を相続する際に押さえておくべきポイントには以下のようなものがあります。

  • 相続登記
  • 相続税
  • 資産価値の有無

ここからは、空き家を相続する際に押さえておくべき3つのポイントについて詳しく解説していきます。

 

相続登記を行う必要がある

相続登記とは、家などの不動産の所有者が亡くなられてしまった時に、その不動産を相続人の名義に書き換える手続きです。相続登記を行わない場合、以下のようなデメリットがあります。

  • 相続関係が複雑になる
  • 不動産を売却できない
  • 不動産を差し押さえられる可能性

これまで相続登記は義務ではありませんでしたが、2024(令和6)年4月1日に、相続登記の義務化に関する改正法が施行されます。その後は、相続による不動産取得を知った日から、3年以内に正当な理由がなく登記手続きを行わなければ、10万円以下の過料を課される可能性があるため、注意が必要です。

 

相続税がかかる

相続税とは、相続税は、亡くなられた方から金銭や家・土地などの財産を相続した場合に、相続した財産に対してかかる税金です。「空き家」も財産なので、相続税の課税対象となります。また、空き家は居住者がいる場合と比べて、相続税が高額になるので注意が必要です。

居住者がいる場合には、一定の要件を満たすことで「小規模宅地等の特例」を適用することができます。小規模宅地等の特例が適用できれば、相続する土地のうち330㎡までの相続税評価額が80%減額することが可能です。

しかし、空き家の場合は、「小規模宅地等の特例」を適用することができないため、相続税評価額を減額できず、結果的に相続税が割高になってしまいます。

 

資産価値の有無

空き家を相続する際には、必ず資産価値の有無を確認しましょう。家や土地などの資産価値は、築年数や立地、土地の形状・広さによって決まります。資産価値がある場合は、空き家を売却することが可能です。

しかし、老朽化などの原因で資産価値がない空き家の場合は、売却も難しく、所有しているだけで負担になってしまう可能性もあります。そのため、相続後のことも考えて、資産価値がない空き家の処分方法なども事前に検討する必要があるでしょう。

 

空き家を放置することで起こりうる問題とは

空き家に資産価値がない場合でも、空き家を放置するのは多くのリスクがあります。空き家を放置することによって以下のような問題が発生する可能性があります。

  • 資産価値が下がる
  • 周辺住民とのトラブル
  • 災害時など倒壊の危険性

 

資産価値が下がる

空き家を放置していると、資産価値が下がってしまう恐れがあります。人が住まない家は、湿気や虫・カビの繁殖、修繕箇所に気付けないなどの原因で、外観・内装問わず、劣化が進み住宅の価値が低下してしまいます。空き家が老朽化してしまうと、よほど立地が良くない限り、資産価値が下がっていき、売却も難しくなるでしょう。

 

周辺住民とのトラブルになる恐れも

空き家を放置していると、周辺住民とのトラブルの原因となる可能性があります。トラブルの原因はさまざまですが、以下のようなものが挙げられます。

  • 害虫・害獣、雑草の繁殖
  • 無断立ち入りや犯罪の拠点になる
  • 火災による延焼など

放置している家は、管理する人がいないため、害虫や害獣の発生や雑草の繁殖などが原因で景観を損なう可能性があります。また、放火を含めた火災のリスクや無断立ち入り・犯罪拠点、犯罪を誘発してしまう恐れもあるため、注意が必要です。

 

災害時など倒壊の危険性がある

人が住まない家は、急激に老朽化が進んでいきます。老朽化が進んだ空き家は、非常に弱く、台風や地震などの自然災害によって、屋根や壁の崩壊、ひどい場合は倒壊の危険性もあります。空き家が倒壊することによって、周辺住民や通行人などに被害がでてしまう可能性も否定できません。
周辺住民や通行人などに被害が出た場合には、空き家の所有者が責任をとる必要があるので、損害賠償責任のリスクなども負うことになります。

 

空き家を相続放棄するとどうなる?

相続放棄とは、すべての資産・負債の相続権を放棄し、相続人の立場を離れることを指します。
もし、相続放棄をした場合には、相続対象だった空き家には関わる必要はないのでしょうか?
結論からいえば、相続放棄をしたからといって空き家の管理義務がなくなるわけではありません。つまり、相続放棄をしても空き家の管理を続ける必要があるのです。
そのため、適切に空き家を管理しなければ、空き家でトラブルが発生した場合、損害賠償などを請求されるリスクもあります。相続した空き家の管理義務は、空き家を「相続財産管理人」に引き渡すまで続くことを覚えておきましょう。

空き家の相続放棄について詳しく見る

 

空き家を相続した時の対処法とは?

空き家も相続した場合には、以下のような対処法があります。

  • 建物を残して売却
  • 建物を取り壊して土地売却
  • リノベーション・リフォームして住居に

 

建物を残して売却

空き家に資産価値がある場合には、建物を残して売却するのがおすすめです。建物を残した状態で売却することによって、解体などの費用を掛けずに空き家を現金化できます。もし、空き家の相続人が複数人いる場合にも、現金化することで遺産を分割しやすくなり、空き家を管理する必要もなくなるため、将来のリスクを減らすことも可能です。資産運用などを考えてない場合は、早めに空き家の売却を進めると良いでしょう。

空き家の売却についてデメリットも含めてチェック

 

建物を取り壊して土地売却

空き家の状態や立地・エリアによっては、土地のみの状態のほうが売却しやすくなる可能性もあります。ただし、空き家を取り壊す解体費用は、現時点の空き家の所有者が負担しなければなりません。空き家を取り壊す解体費用は、空き家の大きさや構造などによっても異なりますが、100〜300万円程度が相場です。

また、空き家を解体してしまった場合、「住宅用地の特例」が解除されてしまいます。そのため、土地の売却に時間がかかってしまうと、税金の負担が大きくなってしまう可能性があるので、注意が必要です。

 

リノベーション・リフォームして住居に

空き家をリノベーションやリフォームをして、住居にする方法もあります。その場合は、リノベーションした空き家に自分で住む方法と貸し出す方法があります。リノベーション・リフォームした空き家に自分で住む場合には快適に生活することができ、貸し出す場合には家賃収入を得ることが可能です。

老朽化が進んだ空き家は、自然災害による倒壊のリスクが高くなります。しかし、リノベーションをすることで、空き家の耐久性・耐震性をアップさせることや資産価値をあげることが可能でしょう。

空き家のリノベーションについて詳しく見る

 

負担ゼロ円で家賃収入も!新しい空き家再生方法「フリーノベーション」とは?

空き家を相続し、持て余してしまっている場合には、新しい空き家再生方法「フリーノベーション」を検討してみてはいかがでしょうか?空き家を活用しようと考えても、活用前のリフォーム・リノベーションなど高額な費用や手間がかかるため、諦めてしまっている人も少なくありません。

しかし、フリーノベーションであれば、自己負担金ゼロ円で賃貸経営が可能です。内装や外観などの工事費用はもちろん、運営中の費用もかかりません。そして、空き家を活用し、安定した家賃収入を手に入れることができます。さらに、賃貸契約終了後はリノベーション済み物件が手に入ります。負担がかからず、収入が手に入るのは、「フリーノベーション」ならではの大きな魅力だといえるでしょう。

フリーノベーションについてさらに詳しく見る

 

相続空き家の3000万円特別控除特例とは

相続空き家の3000万円特別控除特例とは、平成28年の税制改正で創立された制度です。空き家の相続後、売却し、利益がでた時には「譲渡所得税」を納めなければなりません。
しかし、「相続空き家の3000万円特別控除特例」を利用した場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得の金額から最高3,000万円まで控除することができます。
空き家の売却はもちろん、空き家を解体した土地を売却した場合にも「相続空き家の3000万円特別控除特例」を利用することが可能だということを覚えておきましょう。

相続空き家の3000万円特別控除特例について詳しく

 

相続した空き家に関わる適用要件

相続した空き家に関わる適用要件は、以下の通りです。

  1. 1981(昭和56)年5月31日以前に建築された家であること
  2. 亡くなられた方が相続開始の直前まで家に住んでいたこと
    ※要介護認定等を受け、亡くなられた方が相続開始の直前に老人ホーム等に住んでいた場合も一定要件を満たせば適用対象となります。
  3. 相続してから売却するまで、使用していないこと
  4. マンション(区分所有建物)でないこと
  5. 空き家は一定の耐震性が認められること、もしくは空き家を解体して土地だけで売却していること

 

適用期間の要件

適用期間の要件は、以下の通りです。

  1. 相続のあったとき(亡くなられた時)から3年後の12月31日までに売却されていること
  2. 特例の適用期限である2023(令和5)年12月31日までに売却されていること

亡くなられた方が相続開始の直前に老人ホーム等に住んでいた場合に関しては、2019(平成31)年4月1日以降の譲渡が対象となるため、注意が必要です。

 

譲渡する際の要件

譲渡する際の要件は、以下の通りです。

  1. 亡くなった方の相続で、既に「相続空き家の3000万円特別控除特例」を利用していないこと
  2. 第三者(配偶者や直系血族など特別な関係の人以外)への売却であること
  3. 空き家の売却代金が1億円以下であること

空き家の売却代金は、家と土地の合計で1億円以下でなければなりません。複数回に分けて売却した場合や、自分以外の相続人とともに売却した場合でも、売却金額を合算します。また、売却金額は、固定資産税の精算額まで含めた金額となることを覚えておきましょう。

 

相続した空き家の放置はNG! できるだけはやく空き家を活用しよう

空き家を相続した場合、相続登記を行い、相続税を納める必要があります。しかし、手に余るからといって空き家を放置してしまうと、周辺住民とのトラブルになるなど、問題が発生する可能性もあるので、注意が必要です。
また、相続放棄をする場合には、空き家だけでなくすべての財産を受け取ることができなくなってしまうことを覚えておきましょう。

空き家を相続した場合、いくつかの対処法がありますが、手間や費用がかかってしまうことも少なくありません。新しい空き家の活用方法「フリーノベーション」は、オーナー様の手間も費用もかかることなく家賃収入を手に入れることができるので、空き家の対処にお困りの方におすすめです。
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