民泊の運営は難しい? 失敗しがちな注意点や成功するためのポイントも解説

民泊の運営を検討中の方は、失敗しないために幾つかの注意点に留意して準備に取り掛かることが大切です。本記事では、民泊運営の注意点や成功するための秘訣を解説します。失敗例や持っていると便利な資格も紹介しますので、民泊運営に興味のある方はぜひ最後までお読みください。

 

民泊運営の種類

民泊運営を合法的に行うためには、以下のような方法があります。

  • 旅館業民泊
  • 特別民泊
  • 民泊新法

それぞれ民泊営業の条件や資格が異なります。違いを理解したうえで、営業をすることは不可欠です。ではそれぞれの種類について、詳しく見ていきましょう。

 

旅館業民泊

旅行業民泊とは、旅館業法の許可を得て民泊運営をする方法です。旅館業民泊は「簡易宿所営業」と「旅館・ホテル営業」に分かれますが、民泊は「簡易宿所営業」での運営が一般的でしょう。旅館業民泊で民泊を営業する場合は許可が必要です。スキー場や山小屋、ペンションなどをイメージするとよいでしょう。
営業するためには、最低床面積が33平方メートル以上必要で、住宅専用地域で営業することはできません。一方で、営業日数制限はなく、最低民泊日数も制限がないため、年間を通して民泊営業できます。旅館業民泊の管轄は厚生労働省です。

 

特別民泊

特別民泊は、国家戦略特区に認定されている一部の自治体に認められた民泊運営方法です。旅館業民泊と異なり許可は必要ありませんが、都道府県知事への認定申請が必要です。特別民泊で民泊営業をする場合、営業日数制限はありません。しかし、最低民泊日数が2泊3日以上と定められています。
また、最低床面積は25平方メートル以上です。特別民泊の管轄は、内閣府(厚生労働省)です。特別民泊での民泊営業を考慮しているのであれば、国家戦略特区に認定されている自治体を確認する必要があるでしょう。

 

民泊新法

民泊新法は、2018年に新しく施行された民泊営業方法です。民泊新法で民泊運営をする場合、住宅地域でも営業が可能であることや、必要書類の届け出をするだけで営業を開始できることなど、他の民泊と比べると大きな違いがあります。また最低床面積は、1人あたり3.3平方メートルで、最低民泊日数の制限はありません。住宅街で気軽に民泊運営ができるため、副業として民泊運営を検討する方も多くなってきました。

しかし、民泊運営は年間に180日と決められていることや、一部の自治体では民泊営業の制限があることなどの理由で、利益を上げるのは難しいといわれています(参考:民泊制度ポータルサイト)。

 

【失敗例も】民泊運営の注意点

民泊新法が施行されたため、民泊運営を気軽にできるようになりましたが、ポイントを押さえなければ失敗に終わることもあります。例えば、以下のような注意点を理解して準備することが大切です。

  • 初期費用・維持費などのお金がかかる
  • 近隣順民とのトラブル
  • 良い物件が見つからない
  • 民泊新法の180日ルールを押さえられていない

では、失敗例も踏まえて民泊運営の注意点について考えましょう。

 

初期費用・維持費などのお金がかかる

民泊を始めるための初期費用や、維持費がかかります。民泊を始める前は、物件の契約時に必要な敷金と礼金、家具や寝具、電化製品、備品などを購入しなければなりません。一軒につき50万円〜100万円のお金がかかることを、念頭に置いておきましょう。民泊を始めた後も、家賃やインターネット料金、光熱費、清掃費用が発生します。備品の補充費用や、家のものが破損した場合の修理費も計算しておく必要があります。民泊の代行運用を利用するのであれば、代行業者に払うお金も発生します。
「利用客が備品を持ち帰るトラブルも起きて、備品を補充する費用が高くつく」「年間で180日しか営業できないから利益があまり出ない」「インテリアや備品にこだわりすぎて赤字になった」などの問題が起こりがちです。

 

近隣住民とのトラブル

民泊は、住宅地域で営業できるため近隣住民とのトラブルが発生するリスクも高くなります。例えば「夜遅くにスーツケースを転がしたり、大きな声で話しがら歩いたりする音がうるさくて眠れない」「夜中まで大音量で音楽をかけて騒ぐので迷惑」「利用客がゴミをあちこちに捨てるため、近隣道路や近隣住民の玄関前が汚される」などの問題が起こっています。特に、民泊を利用するのは外国人旅行客である場合は文化の違いから「ゴミの捨て方は自治体ごとにルールがある」「夜は騒音を立てないようにする」などのことに気づかないことも多く、近隣とのトラブルが起こりがちです。

民泊のトラブルについてさらに詳しく見る

 

良い物件が見つからない

良い物件がなかなか見つからず、立地条件の悪い物件や家賃の高すぎる物件で運営を開始したために利益が出ないという失敗例もあります。快適な物件を準備したのに立地条件が悪いと集客は見込めません。また、民泊可能物件は少なく家賃も高い傾向があります。民泊可能物件の費用相場は、一般家賃相場の1.3倍ほどです。しかし、家賃相場の1.5倍以上もする高い物件もあります。地域の家賃相場や、民泊の家賃相場の知識がないと「民泊可能物件である」「おしゃれな物件である」などに飛びついて契約する危険があるでしょう。家賃は毎月の運営費なので、高すぎると経営が苦しくなります。

 

民泊新法の180日ルールを押さえられていない

民泊新法の180日ルールを抑えられずに営業し、集客がほとんどないという失敗例も起こっています。年間で180日を単純計算すると、1か月で15日のみ営業できます。この15日だけで利益を出すために、民泊費用設定や営業日を考えなければなりません。しかし、180日ルールを考慮せずに、宿泊費用を設定するとランニングコストをまかなえません。また、適当に営業日を決めていると、集客数が見込めないでしょう。

 

民泊を成功させるためのポイント

民泊を成功させるには、以下のようなポイントを押さえて運営することが欠かせません。

  • 需要の高い立地を選ぶ
  • 多言語対応をする
  • 近隣住民への説明をしっかり行う
  • コンセプト・ターゲットを明確にする

 

需要の高い立地を選ぶ

需要の高い立地を選んで、民泊運営を開始しましょう。例えば人気の観光エリア付近、駅やバス停などアクセスが便利なエリアです。また、コンビニやスーパー、ドラッグストアなどのお店の徒歩圏内であると便利です。観光目当ての旅行客や出張の滞在先に民泊を使う場合は車がないことが多いため、駅やバス停などがあると移動しやすいでしょう。またコンビニやスーパー、ドラッグストアが近いとちょっとした飲み物や朝食を調達できます。

 

多言語対応をする

外国人観光客が利用することを見越して、多言語対応をすることも重要です。英語だけでなく、利用の多い国籍の方が話す母語の準備もしておきましょう。例えば、中国人やタイ人の利用が多い場合(国籍は一例です)、中国語やタイ語の用意をします。いろんな国籍の方が利用することを見越して、イラストを使って説明書を作ることも考慮してください。母語やイラストだとマニュアルや注意書きに目がとまりやすいので、ルールに従って民泊を使用する可能性が高くなります。近隣とのトラブル対策にもなるでしょう。

 

近隣住民への説明をしっかり行う

近隣住民への説明をしっかりと行うことも、忘れずに行ってください。近隣住民は、民泊が近くにあることで「自分たちの生活エリアが荒らされるのではないか」「犯罪やトラブルに巻き込まれるのではないか」「夜に眠れないのではないか」など、不安に思っていることでしょう。民泊を開業するにあたり、近隣とのトラブルになりがちなゴミ問題や、騒音に対してどのような対策をしているかきちんと説明してください。また、万が一問題が起こったときの、連絡先を伝えることもできるでしょう。

 

コンセプト・ターゲットを明確にする

民泊を開業する前に、民泊のコンセプトやターゲットを明確にしましょう。民泊の利用者のターゲットを絞り込むことで、室内のインテリアや準備するものをある程度絞り込めます。またグループでの利用をターゲットにするのか、家族やカップルなど少人数での利用をターゲットにするのかによって、物件の広さも異なります。また、地元の文化に触れ合いをコンセプトにする場合は、地元の体験コーナーを紹介したパンフレットを作ったり、家主居住型の民泊を検討したりできるでしょう。

 

民泊運営に資格は必要?

民泊新法で民泊運営をする場合、基本的に資格は必要ありません。しかし、資格を持っていた方が運営をスムーズに行えるケースもあります。例えば、家主不在型の民泊を運営する場合は、管理業者へ委託しなければなりません。

しかし、オーナー自身が必要な資格を持っていると「住宅宿泊管理業者」として登録し、管理者となることが可能になります。住宅取引や管理に関する業務経験が2年以上ある方は「住宅宿泊管理業者」として登録できます。しかし、業務経験がない場合は「宅建建物取引士」「管理業務主任者」「賃貸不動産経営管理士」のいずれかの資格を持っていることが必要です。これらの資格を持っていることで、家主不在型の民泊運営で管理業者に委託しなくてよいため、コストを抑えられます。

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民泊代行を利用するという選択肢も

民泊を運営するために、ポイントを押さえて準備したり、コンセプトを決めたりとさまざまなことを考慮しなければなりません。また、運営には時間と労力を要します。スムーズに民泊運営をするために、民泊代行を利用する選択肢も検討できるでしょう。

民泊代行とは、オーナーに代わって民泊の手続き、予定の管理、清掃、利用客とのやりとり、チェックインやチェックアウトの管理など民泊の運営に関する仕事を行うサービスです。180日ルールなどを含めた法律を守って運営してくれるため、ペナルティーのリスクが少なくなります。時間や労力を節約しつつ、民泊運営ができることもメリットです。「投資として民泊運営をしたいけど、仕事やプライベートも充実させたい」という方に向いています。

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民泊代行を希望する方は、ココミンカをご検討ください。ココミンカは、古民家や空き家をおしゃれに改造し民泊運営やシェアハウスのサポートを行っています。民泊の許可申請や、管理、運営までを全て代行するので、オーナー様の負担はありません。

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ポイントを押さえて上手に民泊運営しよう!

今回は民泊運営について解説しました。民泊運営には3種類あり、それぞれ条件が異なります。まずはどの方法で運営をするか決めましょう。特に民泊新法で民泊をする場合は、180日ルールを踏まえて運営しなければなりません。家賃や光熱費を含む維持費用とともに、営業可能日数を考慮して宿泊料金を決めましょう。また、需要の高い立地条件を選んだり、多言語対応をしたり、コンセプトとターゲットを明確にしたりして運営する必要もあります。

民泊運営を自分で行うのは負担が大きいと感じる場合は、民泊代行も検討できるでしょう。ココミンカでは、民泊運営代行サービスを行っています。また、民泊に関するセミナーも実施していますので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。

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