住宅宿泊管理業者とは? 登録の条件や禁止事項、申請方法などについて詳しく解説
住宅民宿管理業者とは、「家主不在型」の民泊の管理業務全般を代行する事業者です。住宅宿泊管理業者として活動するためには、国土交通大臣への登録が必要です。
今回は、住宅宿泊管理業者の概要や登録条件、禁止事項、申請方法などについて詳しく解説します。
住宅宿泊管理業者とは?
住宅宿泊管理業者とは、住宅宿泊事業者の委託を受けて、家主不在型の民泊の管理を行う業者です。
2018年6月に施行された民泊新法では、家主不在型や6部屋以上の家主同居型の民泊は、民宿の維持・管理を住宅宿泊管理業者に委託することを義務付けました。
住宅宿泊管理業者になるためには、国土交通大臣の登録を受け、登録免許税(9万円)を収める必要があります。また、国土交通大臣の登録は、5年ごとに登録の更新が必要です。
住宅宿泊管理業者になるための要件は、個人と法人で異なることを覚えておきましょう。条件に付いて、次項で詳しく解説します。
住宅宿泊管理業者に登録するための条件
先述しましたが、住宅宿泊管理業者になる場合、国土交通大臣の登録を受ける必要があります。住宅宿泊管理業者に登録するための条件は、個人と法人で異なるため注意が必要です。ここでは、個人の場合と法人の場合に分けて、住宅宿泊管理業者に登録するための条件をお話しします。
個人の場合
個人で住宅宿泊管理業者に登録するためには、以下のいずれかの項目に該当している必要があります。
· 住宅の取引または管理に関する“2年以上”の実務経験
· 宅地建物取引士の資格 · 管理業務主任者の資格 · 賃貸不動産経営管理士の資格 |
これらに該当していない場合は、残念ながら住宅宿泊管理業者に登録することはできません。どうしても住宅宿泊管理業者に登録したい場合は、住宅の取引または管理の実務経験を積むか、資格の取得を目指しましょう。
法人の場合
法人で住宅宿泊管理業者に登録するためには、以下のいずれかの項目に該当している必要があります。
· 個人の登録条件 ※を満たす従業者を雇用している
· 住宅の取引又は管理に関する2年以上の事業経歴 · 宅建取引業者の免許 · マンション管理業者の登録 · 賃貸住宅管理業者の登録 |
住宅宿泊管理業者の登録業者は、管轄する地方整備局等ごとに公開されています。そのため、依頼側は正規の業者か否かを調べることが可能です。
住宅宿泊管理業者の業務
住宅宿泊管理業者の具体的な業務には以下のようなものがあります。1つずつ詳しく解説していきます。
- 清掃・衛生管理
- 施設の安全確保
- ゲストや近隣の方への対応
清掃・衛生管理
民泊を清潔で快適な空間とするために、清掃・衛生管理業務を行います。清掃・衛生管理業務内容の例は、以下の通りです。
· 日常清掃 民泊の設備・備品の清掃・換気· 寝具・衛生用品の洗濯・設置 ゲストが入れ替わるごとにシーツやカバーを取り換え、洗濯する · 備品の管理及び補充 |
仮に築年数が経っている物件であっても、清潔な空間を作ることでゲストの満足度を高めることができます。
施設の安全確保
民泊をゲストに安心して利用していただくために、施設の安全確保業務を行います。施設の安全確保業務内容は、以下の通りです。宿泊するゲストが安全で快適に過ごせるように心掛けましょう。
· 住宅・設備の維持管理 設備のメンテナンス、鍵の管理・外国語での案内など· 非常用照明の設置、点検、避難経路の表示、災害発生時の避難に関する案内 宿泊室・避難経路に非常用照明を設置・点検、災害時の避難経路の表示 · 災害時の通報連絡先の案内 · 官公庁への届出事務の代行 |
ゲストや近隣の方への対応
民泊のゲストや近隣住民が不愉快な思いをしないように、心を込めてゲストや近隣の方への対応業務を行います。ゲストや近隣の方への対応業務の内容は、以下の通りです。近隣の方に迷惑をかけず、ゲストが「また利用したい」と思えるような対応ができるのがベストです。
· ゲストへの鍵の受け渡し・ゲストからの鍵の返却確認
· 本人確認、宿泊者名簿の作成・管理 · 未チェックインの報告 · 騒音防止などについての説明 · 周辺住民からの苦情や問い合わせへの対応 · ゲストからの苦情の対応 · ゲストによる住宅への破壊などに対する措置 · 長期滞在者への対応 · チェックアウト後の状況確認 |
住宅宿泊管理業者の禁止事項
住宅宿泊管理業者には、さまざまな業務が割り当てられていますが、業務に関する規制もあります。住宅宿泊管理業者の禁止事項は、以下の通りです。
· 誇大な広告の禁止
· 不当な勧誘等の禁止 · 名義貸しの禁止 · 住宅宿泊管理業務の再委託の禁止 |
住宅宿泊管理業者は、チラシや新聞、テレビ、インターネットのホームページなどで業務の広告をする際に虚偽広告や誇大広告をすることは許されません。また、相手の迷惑となる時間に電話や訪問をする、しつこく勧誘するなど不当な勧誘等も禁止されています。
業務が負担・相手に頼まれたなどの理由で、名義貸しをしてしまう人もいますが、自分の名義で他人が住宅宿泊管理業務を行う行為はNGです。さらに、管理受託契約の締結後に住宅宿泊管理業務のすべてを他者に再委託することはできません。
ただし、住宅宿泊管理業務の一部であれば、再委託は認められるケースがあることを覚えておきましょう。
住宅宿泊管理業者の申請方法
住宅宿泊管理業者の申請は、原則「民泊制度運営システム」を利用して行います。住宅宿泊管理業者の申請方法は、以下の通りです。
- 資格要件を満たしているか確認する
- 申請に必要な書類の準備
- 住宅宿泊管理業者の申請登録
資格要件を満たしていることを確認し、申請に必要な書類を準備しましょう。申請に必要な書類は、「登録申請書」と「添付書類」です。
必要な添付書類は、以下の通りです。
個人 | 法人 |
· 所得税の課税証明書および納税証明書
· 登記されていないことの証明 · 身分証明書 · 略歴書 · 財産調書 · 体制整備証明書面 · 誓約書 |
· 定款
· 登記事項証明書 · 納税証明書 · 役員の登記されていないことの証明(役員全員) · 身分証明書(役員全員) · 役員・相談役・顧問の略歴書 · 5%以上の株主の氏名・住所・出資額 · 決算書 · 体制整備証明書面 · 誓約書 |
これらの書類を揃え、申請を行ってから登録まで90日の期間が必要とされています。
住宅宿泊管理業者の選び方
住宅宿泊管理業者を依頼する場合、どのようにして優良な業者を選べばいいのか悩んでしまうでしょう。住宅宿泊管理業者の選び方のポイントは、以下の通りです。1つずつ詳しく解説します。
- 料金形態
- サービス内容・範囲
- 外国語対応の有無
料金形態
住宅宿泊管理業者の料金形態は、主に「成果報酬制」と「月額固定制」の2種類に分かれます。成果報酬制は、月々の売上から15〜35%支払う形の料金形態で、すべての業務を委託できる業者で採用されることが多いです。月額報酬制は、業務範囲によって月々決まった金額を支払う料金体系で、一部の業務のみを行う業者で採用されます。
住宅宿泊管理業者の選び方としては、どのように業務を依頼するのかを検討し、料金形態を考えてみるのがよいでしょう。
サービス内容・範囲
民泊運営代行業者によって、サービス内容や範囲は異なるので、事前に確認が必要です。基本的に、民泊運営代行業者は「完全運営代行」と「部分代行」の2つの種類に分かれます。「完全運営代行」はその名の通り業務のすべてを任せることが可能で、部分代行であれば業務の一部を依頼する形となります。
また、民泊運営代行業者によってサービスの質にも差があるので、口コミや評判を調べてみるのもおすすめです。
外国語対応の有無
民泊は、外国人のゲストが多く利用するため、外国語の対応の有無も重要なポイントです。特に、観光客の多いエリアであれば、英語だけでなく中国語や韓国語など複数の外国語に対応している住宅宿泊管理業者がおすすめです。
日本にはじめて訪れて不安を感じている外国人ゲストも多いので、外国語でしっかりコミュニケーションを取れることで、満足度の向上も期待できます。
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住宅宿泊管理業の条件や禁止事項を理解しよう
住宅宿泊管理業者とは、住宅宿泊事業者の委託を受けて家主不在型の民泊の管理を行う業者です。住宅宿泊管理業者になるためには、国土交通大臣の登録を受けなくてはいけません。
また、住宅宿泊管理業者の登録には一定の要件を満たす必要があり、その要件は個人と法人で異なります。住宅宿泊管理業者に登録した後にも業務に関する規制を守らなければならないので、禁止事項などをしっかりと把握しておきましょう。
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