古民家の基礎補強はどうするべきか? 具体的な基礎の種類や補強方法を詳しく解説
古民家を所有している方のなかには、基礎の補強やつくりについて気になっている人は多いのではないでしょうか?今回は、古民家の基礎補強はどうするべきなのか、具体的な基礎の種類や工法、補強方法を詳しく解説していきます。古民家の安全のために、基礎補強について理解を深めておくことはとても重要なので、ぜひ参考にしてみてください。
古民家の基礎工法
まずは、古民家の基礎工法にはどのようなものがあるのか、2つの工法を把握しておきましょう。1つずつ詳しく解説していきます。
- 伝統構法
- 在来工法
伝統構法
伝統構法とは、日本古来の建築物に採用されていることの多い基礎工法で、石場の上に柱を置いて組み立てられる構造です。古くからある寺社仏閣や、比較的古い時代に建てられている古民家で多く見られる工法です。伝統構法では、柱と石が完全に固定されていないという点が大きな特徴で、地震の揺れが起きた際の衝撃を外へと逃がす免震性に優れた構造になっています。
在来工法
在来工法とは、現代における住宅の9割以上を占めている最も基本的な基礎工法で、基礎部分がコンクリートや金物によって頑丈に固定されているのが大きな特徴です。免震性に優れた伝統構法とは異なり、地震の揺れそのものに対抗できる耐震性に優れた基礎工法です。そのため、地震が起きた際に建物を倒壊させないような強さを持ちますが、実際に感じる揺れの大きさは伝統構法に比べて大きくなるでしょう。
古民家の基礎の種類とは
古民家で見られる基礎には、主に2つの種類があります。それぞれの特徴を解説していきます。
- 玉石基礎
- コンクリートブロック基礎
玉石基礎
玉石基礎は、まだコンクリートが建築に使用されていなかった時代に主流となっていた基礎で、石の上にそのまま柱となる木材を置いて組み立てられた状態になっています。基礎工事で用いられる石も木材も特別に固定されているわけではなく、あくまで重ねて置かれているだけなので、耐久性は強くありません。そのため、地震などの衝撃によって徐々にずれが生じる恐れがあるため注意が必要です。
コンクリートブロック基礎
コンクリートブロック基礎は、玉石基礎で用いた石の代わりにコンクリートブロックを使用している基礎のことです。コンクリートと聞くと、頑丈なイメージを持つ人も多いかもしれません。しかし、ここでいうコンクリートブロックは、鉄筋のないいわゆる無筋コンクリートであるため、ひび割れの危険性が高くなっています。そのため、地震による衝撃や、単純な経年劣化などによりひび割れが進んでいくことを考えると、耐久性は玉石基礎と同様で弱いといえるでしょう。
古民家の基礎は補強が必要?
実際のところ、古民家の基礎は補強が必要といえるのでしょうか?結論を述べるとするならば、古民家の基礎はいずれの種類であったとしても耐久性が強いとはいえないため、補強は必要です。古民家は、比較的免震性に優れているという面がありますが、建築されてから50年以上も経過しているとなれば、基礎にずれが生じていたりひび割れなどの劣化が進んでいたりする可能性は高いので、安全のためには適切な補強を行わなければなりません。
古民家の基礎の補強方法
古民家の安全のためには、基礎の補強が必要といえますが、具体的にどのような方法で補強を行うことができるのでしょうか?ここでは、2通りの補強方法を紹介し、解説していきます。
- 玉石基礎の補強
- コンクリートブロック基礎の補強
玉石基礎の補強
玉石基礎を補強する際は、石と柱を置いただけで不安定となっているところにコンクリートを流し入れ、それぞれの間を埋め固めて一体化させる方法で行います。これにより、石と柱にずれが生じるリスクを大幅に抑えられます。さらに、柱部分に筋交いや金物を追加することで、基礎全体をより強く固定させます。なお、このような補強工事を行う場合、床下を完全に開放させる必要があるので、やや高めの費用がかかるという点も理解しておかなければなりません。
コンクリートブロック基礎の補強
コンクリートブロック基礎の補強では、既存のブロックにアラミド繊維とエポキシ樹脂を追加する「ハイブリッド工法」が主に使われます。まず、基礎全体の表面にエポキシ樹脂を塗り込み、その上にアラミド繊維を貼り付け、さらにもう一度エポキシ樹脂を上塗りするという補強方法です。ややシンプルな作業に見えるかもしれませんが、アラミド繊維とエポキシ樹脂の成分は相性が非常によく、補強効果は十分です。比較的安い費用で済むので、メリットの大きい補強方法といえるでしょう。
古民家の基礎はDIYできる?
古民家の基礎を補強しようとするとき、DIYで行うことを検討する人も多いかもしれません。しかし、基礎の補強工事を正しく行うためには、高度な技術や専門的な知識が必要となるため、無理してDIYせずにプロに依頼したほうがよいでしょう。DIYで基礎補強を行ったとしても、不十分な仕上がりとなってしまい、建築基準法に引っかかってしまう可能性もあります。そのため、安全かつ確実に古民家の基礎補強を行うためには、専門の施工業者へ依頼しましょう。
不要な古民家をお持ちの方は「フリーノベーション」がおすすめ
古民家の基礎は、劣化が進んでいる可能性が高く、元の耐久性も弱いため、適切な補強を行う必要があります。しかし、不要な古民家のために高い費用をかけて補強工事を行う気にはなれないかもしれません。そこで、不要な古民家をお持ちの方は「フリーノベーション」を検討してみてはいかがでしょうか?
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古民家の安全のためには基礎補強を行うべき
古民家の基礎は、耐久性がかなり弱くなっている可能性が考えられます。そのため、古民家を所有している方は、基礎の補強工事の必要性をきちんと理解しておくことが大切です。また、古民家の基礎補強には高い技術が必要となるので、DIYで行うのはおすすめできません。
安全に補強工事を行うためには、プロに任せるようにしましょう。なお、不要な古民家を所有しているなら、フリーノベーションが非常におすすめです。費用をかけずにリノベーション工事を行うことができるので、ぜひ選択肢の1つとして検討してみてください。無料査定も行っていますので、気になる方はぜひお気軽にお問合せください。