空き家の購入方法とは? メリットや注意点、補助金についても解説
空き家を購入しようか悩んでいる方は、具体的な購入方法やメリットと併せて、注意点について知っておかないと後悔してしまう可能性もあります。そこで今回は、空き家の購入方法やメリットと併せて、押さえておくべき注意点や、活用できる補助金についても詳しく解説します。ぜひ参考にしてみてください。
空き家の購入方法
空き家を購入するには、主に以下のような方法が主流です。それぞれの購入方法について詳しく解説しますので、空き家購入を検討している方は確認しておきましょう。
- 空き家バンク
- 中古物件販売サイト
- 不動産ポータルサイト
空き家バンク
空き家バンクとは、地方自治体や不動産関連機関が運営するデータベースです。空き家を所有している人が空き家バンクに物件を登録し、賃貸で貸したり、売買取引で売ったりします。
空き家バンクに登録された物件は、購入希望者や賃貸入居希望者に公開され、低価格や優遇条件で提供される仕組みです。
不動産会社と違って営利目的で物件情報を公開しているのではなく、空き家という社会問題を解決して地域活性化を図ることが、空き家バンクの目的です。
中古物件販売サイト
中古物件販売サイトは、一般的な不動産販売サイトですが、中古の空き家も取り扱っています。中古物件販売サイトでは、地域や価格・間取りなどの条件で物件を検索し、興味のある空き家を探せます。物件の詳細情報や写真・周辺環境などが提供されており、自宅で気軽に物件を探せて便利でしょう。
また、売り主との価格交渉や不動産会社とのやり取りがオンライン上でおこなえる場合が多いため、忙しくて不動産会社を訪ねる時間が取れない方にも向いています。
不動産ポータルサイト
不動産ポータルサイトは、複数の不動産会社が参加している総合情報サイトです。新築物件や中古物件・賃貸物件など、さまざまな物件情報が掲載されており空き家の情報も収集できます。希望の物件を地域や予算・希望条件などで細かく絞り込んで検索できるため、希望の条件に合う空き家を探しやすいです。
また、不動産ポータルサイトは多くの不動産会社が参画しているため、幅広い物件情報を網羅しているといえます。そのため、不動産会社を1社ずつ訪ねる手間と時間が軽減でき、自分に合った物件を効率的に見つけやすいでしょう。
空き家購入のメリット
空き家を購入することには以下のようなメリットがあります。
- 安く購入できる場合が多い
- 補助金が出ることもある
- 立地の良い物件がある
安く購入できる場合が多い
空き家は所有者がいないため、他物件に比べて需要が低いといえます。そのため、市場価格よりも割安に購入できる可能性が高いというメリットがあります。
また、空き家を所有している売り手も、できるだけ早く物件を処分したいという意向があることが多いため、価格交渉がしやすいといえます。
補助金が出ることもある
空き家を購入すれば、自治体から補助金が出ることもあります。なぜなら、空き家に誰かが住むことで、地域の活性化や再生につながるため、一部自治体では補助金制度を設けているからです。補助金の内容や条件は地域によって異なりますが、リフォーム費用の一部や低利子の融資など、住宅購入に関する金銭的なサポートが期待できます。
立地の良い物件がある
空き家の中には、駅や商業施設に近い立地の良い物件も多く存在します。立地の良い物件は市場価値が高く価格も高騰しやすいです。
しかし、空き家の場合は「長年人が住んでいない」「手入れがされていない」などの理由で、他の物件よりリーズナブルな価格で売りに出されるケースがあります。価格が高騰しやすい立地の良い物件を、空き家で購入すれば通常より購入価格を抑えての購入が可能です。
また、不動産が増え続けている現在は、好立地の土地が買い占められているケースが多く、なかなか立地の良い物件が見つかりません。空き家購入をすることで、新築では住めない立地の良い環境で生活ができる可能性があります。
空き家購入の注意点
空き家購入の注意点には以下のようなものが挙げられます。後悔しないよう、しっかり押さえておきましょう。
- 購入後の手入れにコストがかかる場合も
- 購入方法によっては価格・条件交渉を行う必要がある
- 空き家情報は見つけにくい
- 事故物件の可能性もある
購入後の手入れにコストがかかる場合も
空き家を購入しても、長期間人が住まずに放置されていることも多く、内部・外部の設備や建物の劣化が進んでいる可能性も考えられます。せっかく安く購入した空き家でも、設備や建物をリフォームやリノベーションする場合は、購入後の手入れにコストがかかります。空き家を購入する前に購入後の手入れにかかるコストを予測し、予算内に収まるか確認しておくことをおすすめします。
購入方法によっては価格・条件交渉を行う必要がある
空き家の購入方法によっては、価格・条件交渉を行う必要があるので注意しましょう。例えば、不動産ポータルサイトを通じて空き家を購入する場合は、価格・条件交渉は不動産会社を通して行うのが一般的です。
しかし、中古物件販売サイトや空き家バンクを通じて、売り手と直接契約で取引をする場合は自分で条件交渉をする必要があります。不動産に関する知識がなく自分で価格・条件交渉が難しい場合は、専門の不動産会社や販売している空き家を探しましょう。
空き家情報は見つけにくい
空き家情報は、一般的な物件情報と比べて見つけにくいといえます。通常の不動産物件とは異なり需要は少ないため、空き家情報は広告や看板などで積極的に宣伝されるものではありません。そのため、空き家を見つけるためは空き家バンク、不動産ポータルサイトなど、さまざまな方法で情報収集をおこなう必要があります。
事故物件の可能性もある
空き家を購入する際は、対象物件が事故や前入居者のトラブルなどで、事故物件となっている可能性もあるため注意しましょう。災害や孤独死・自殺・他殺など、事故物件となるケースはさまざまです。事故物件は相場より格安で販売されやすく、あまりにも価格が安い場合は管理会社や不動産会社に過去の事故・入居者情報を確認しましょう。
なお、事故物件であっても事故発生後に1度他の人が住んでしまえば、不動産会社の告知義務がなくなるため要注意です。思い切って「事故物件ではないですか?」と不動産会社に聞いてみてもいいですが、正直に答えてもらえないケースもあるので、自分でもインターネットを活用して過去の情報を調べておいてください。
激安の空き屋は大丈夫?
あまりにも空き家の価格が相場より低い場合「激安の空き家は大丈夫?」と心配になるでしょう。空き家が激安の原因には、次のようなものが考えられます。
- 事故物件である
- 周辺環境が悪い
- 築年数が経過しすぎている
- 建物の老朽化、設備の故障・破損がある
事故物件や周辺環境が悪い場合は、購入希望者が少なく空き家が激安で売られている可能性が高いでしょう。周辺環境の治安・災害発生状況・近所トラブルの有無・生活の利便性など、確認した上で空き家を購入すべきか検討してください。
また、築年数が経過しすぎていたり建物の老朽化や設備の破損があったりすると、空き家購入後のリフォーム費用やメンテナンス費用が余分にかかってしまいます。激安の空き家を購入する際は、「なぜ価格が安いのか?」原因を調査して購入すべきか検討しましょう。
空き家購入時の補助金
空き家を放置しておけば地域の治安悪化に繋がるため、自治体によっては空き家購入に関する補助金制度を設けています。いくつか空き家購入に活用できる補助金制度を紹介しますので、参考にしてみてください。
- 空家利活用改修補助事業(大阪市)
バリアフリーや省エネなど一定の性能を持つ家に空き家をリフォームする際の費用を助成する制度
引用:大阪市|空家利活用改修補助事業
- 空き家活用支援事業(兵庫県)
空き家を住居、事業所もしくは地域交流拠点などに活用するためのリフォーム費用を助成する制度
引用:兵庫県|空き家活用支援事業
- 空き家リフォーム事業補助金(山口県)
建築後20年以上経過している一戸建て住宅や、空き家になって1年が経過している物件をリフォームする費用を助成する制度
引用:周南市|空き家リフォーム事業補助金
- 空き家バンクリフォーム・地域経済活性化事業補助金(香川県)
空き家バンクに登録されている物件を購入した方に対して、空き家リフォームにかかる費用を半額助成する制度
引用:三豊市|空き家バンク物件のリフォーム補助金
他にも自治体が空き家購入時に申請できる補助金を設けているか、対象エリアを管轄している自治体ホームページから確認してみましょう。
空き家購入時の注意点や補助金を理解し、理想の物件を見つけよう!
空き家は通常の物件より安く購入でき、補助金が出ることもあるので、新築物件よりお得に住めることも多いでしょう。しかし、格安の空き家には事故物件や周辺環境の悪さ、物件の老朽化など安い理由があるので注意が必要です。
空き家を探す際には、注意点や対象エリアで活用できる補助金を理解した上で、空き家バンクや不動産ポータルサイトから理想の物件を探してみましょう。