空き家の買取のメリットと注意点とは? 買取以外の空き家活用方法も解説

空き家の処分方法のひとつとして、不動産業者に直接売却する「買取」が挙げられます。個人相手の売却と比較した際、現金化までの時間が短縮できる点が大きなメリットです。そこで今回は、空き家買取のメリットや注意点、買取に出す以外の空き家活用方法について詳しく解説します。

 

空き家放置のリスクとは?

空き家を放置するリスクのひとつに費用の負担があげられます。空き家に限らず所有している不動産を維持するためには、固定資産税の納付が必須です。
空き家の管理を不動産業者に依頼している場合には、管理費用のほかにも建物や設備の修繕費用が発生します。
建物の老朽化が進み、「特定空家」として市町村自治体に認定された際には、指導や勧告の後に強制的に解体される恐れも。この場合の解体費用は、強制的な解体にも関わらず空き家の所有者の負担となります。
その他にも空き家の放置には地域の景観を損ねる、建物の倒壊や放火のおそれ、不法占拠などさまざまなリスクが想定されます。

 

空き家を買取に出すメリット

空き家を買取に出すメリットとして、次の2点が挙げられます。

  • 取り壊さずそのまま売れる可能性
  • 契約不適合責任の免除

 

取り壊さずそのまま売れる可能性がある

空き家の買取を選択した際には、建物を取り壊さずにそのままの状態で売却できる可能性があります。
空き家の買取は個人ではなく、不動産業者が相手となることがその理由です。
買取後の土地活用を見越した上で取引を行うため、建物の解体費用を不動産業者が負担することも少なくありません。
個人相手の売却の場合には、建物の解体後に更地にしてからの引き渡しを求められることも想定されます。その際の解体費用は、空き家の所有者である売主の負担となるのが一般的です。

 

契約不適合責任を免除される場合がある

空き家の買取では、契約不適合責任が免除される場合があります。すでに建物や設備の不具合が明らかな状態であっても、織り込み済みで不動産業者が買取に臨むためです。契約の段階で契約不適合責任の免責が条件に含まれていることを確認しましょう。
契約不適合責任とは、売却時に報告されなかった建物や設備の不具合が生じた際に、修繕費用の負担が売主に課せられるものです。状況や状態によっては買主からの契約解除や、損害賠償請求が起こされることも考えられます。

 

空き家を買取に出すデメリット・注意点

空き家の買取には、建物を解体しなくとも売却できる可能性などのメリットが得られる一方で、以下のようなデメリットや注意点も踏まえておきたいところです。

  • 価格が希望より安くなる場合が多い
  • 買い手が見つからないこともある
  • 悪徳な買取業者も存在する

 

価格が希望より安くなる場合が多い

空き家を含む不動産の買取価格は、地域の実勢価格(市場価格)の50%から80%が相場とされています。実勢価格(市場価格)5,000万円の不動産の売却と、買取による価格の大まかな違いは次のとおりです。

価格(相場)
売却 5,000万円前後
買取 2,500万円から4,000万円ほど

売却>買取となる傾向があるのは否めません。たとえば最初の3ヶ月間は売却で臨み、4ヶ月目以降は買取も視野に入れるというやり方もあります。

 

買い手が見つからないこともある

残念ながら、すべての空き家の買取が成立するわけではありません。土地の価格が低めのエリアに所在する空き家の場合、解体費用が土地の価格を上回るケースが存在します。将来の利益が見込めないと判断された際には、買取を見送られることも十分にあり得るでしょう。物件によっては解体費用を売主が負担することが、買取の条件として提示される可能性も考えられます。

 

悪徳な買取業者も存在する

空き家などの不動産の買取を依頼する売主の傾向として、早期の売却を希望する点が挙げられます。

相続などでまとまった費用を捻出する必要に迫られていることがその理由です。

買取業者の中には、そういった売主の「足元を見る」ところも存在します。周辺の相場価格よりも大幅に割安な価格を提示する不動産業者には注意が必要です。正しい情報は自身から動かないと得ることはできません。国土交通省の「土地総合情報システム」などで、事前に大まかな相場を調べておきたいところです。

 

空き家買取の流れ

 

空き家の買取は、おおむね次のような手順で行われますので、押さえておきましょう。

  1. 不動産業者に空き家の買取査定を依頼
  2. 机上査定 ※物件が所在するエリアの過去の取引事例から大まかな金額を提示
  3. 現地査定 ※物件を実際に見ることでより信憑性の高い資産価値を導き出す
  4. 不動産業者より買取の査定金額が提示される
  5. 売主が買取の査定金額を了承する
  6. 売買契約に必要書類(登記事項証明書など)の準備
  7. 宅地建物取引主任者からの重要事項説明の後に売買契約を結ぶ
  8. 所轄の法務局への所有権移転登記 ※司法書士に依頼した際には司法書士への報酬が発生します
  9. 不動産業者より空き家の買取金額が売主に支払われる
  10. 不動産業者に空き家を引き渡して買取手続きの完了

 

買取に向いている空き家の特徴

買取に向いている空き家の特徴として、次の2つが挙げられます。

  • 早く現金化したい
  • 物件が遠方にある

 

早く現金化したい

買取は売却と比べた際、短期間で現金化することが可能です。売却は買主を探すための時間が生じますが、買取は不動産業者が相手となるため、現金化までの時間が短縮されます。
特に相続した空き家を売却した費用で相続税を納める場合には、限られた時間内での現金化が必須です。
※相続税の納付期限は、相続が発生した日(被相続人が亡くなったことを知った日)の翌日から10ヶ月以内

ただし買取の場合、不動産業者が提示する価格が買取価格となります。そのため、希望する価格よりも低めの金額となることも少なくありません。

 

物件が遠方にある

所有している空き家が遠方に所在する場合も買取に向いている物件です。売却の際には、空き家やその近隣に訪れる機会が大幅に増加します。物件の訪問査定や不動産業者との媒介契約、買主(候補)による物件の内見、売買契約や物件の引き渡しなど、現地での複数回に渡るやり取りが必須です。
その都度、現地への宿泊交通費やガソリン代、高速道路の通行料金などが発生します。肉体的にも精神的にも疲労が蓄積するのは否めません。買取を選択した際には、現地への訪問回数が大幅に減少するのは確かです。

 

空き家は買取以外の方法もある

空き家の買取以外の選択肢として、以下のようなものが挙げられます。

  • 空き家バンクに登録する
  • 自治体に寄付する
  • フリーノベーションで空き家を活用する

 

空き家バンクに登録する

空き家バンクは、お手持ちの空き家の売買や賃貸を希望する方のためのサービスです。空き家バンクに参画した日本全国の市町村自治体が主導し、地域ごとの宅地建物取引士が仲介を担当します。
空き家バンクには、2023年3月末の時点で956の市町村自治体が参画中です。お手持ちの空き家を登録後、購入や賃貸の希望者からの連絡を待つ形となります。費用や周辺環境などの条件が合致した際に、売買や賃貸の契約成立につながります。

 

自治体に寄付する

空き家の所在する地域によっては、自治体への寄付が選択肢として浮上します。兵庫県尼崎市や大阪府泉佐野市、石川県能美市などで「空家等寄付受け事業」が実施中です。ただし、すべての空き家を寄付として受け入れてくれるわけではありません。狭小地や不整形地、建築基準法の接道義務を満たさない土地などは、寄付の対象外となります。

詳しくは空き地の所在する自治体の公式サイトにて、「空家等寄付受け事業」を実施していることを確認した後にお問い合わせください。

 

フリーノベーションで空き家を活用する

空き家の買取には、希望する価格での取引成立が難しいなどの注意点が存在します。フリーノベーションは、お持ちの空き家をリノベーション後、賃貸物件へと切り替える選択肢です。転貸可能定期借家契約満了後はリノベーション後の物件をオーナー様へ、費用負担なしでお返しします。

フリーノベーションの流れ
  1. 空き家の調査
  2. リノベーション後の賃料を査定
  3. 物件の所有者との転貸可能定期借家契約(5年から20年)
  4. 空き家のリノベーション
  5. リノベーション後は賃貸物件に(家賃収入)
  6. 転貸可能定期借家契約満了後は物件の所有者に建物を返却

リノベーションにかかる費用が一切かからないため、コスト面を抑えたい方にもおすすめです。

フリーノベーションについてさらに詳しく見る

 

空き家の処分方法は買取以外も選択肢に加えてみよう

今回は、空き家の買取のメリットや注意点について紹介してきました。空き家の買取は、売却と比べて早期の現金化が実現できる点がメリットといえるでしょう。一方で、希望通りの買取価格には至らない可能性も想定しておきたいところです。

買取以外の選択肢として、空き家バンクへの登録や自治体への寄付、フリーノベーションによる空き家の活用があげられます。空き家の所在するエリアによっては、フリーノベーションによる賃貸物件への切り替えも検討してみてはいかがでしょうか。

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