トレーニングジムを併設! コンセプト型シェアハウス「筋トレシェアハウス」

ココミンカでは、シンプルなリノベーションのみならず、ユーザーのライフスタイルを重視したコンセプチュアルな物件も手掛けています。こちらでご紹介するのは、建物内にトレーニングジムを併設しているシェアハウス、その名も「筋トレシェアハウス」です。構想、リノベから賃貸までの道のりをご覧ください。

 

「秘密基地を作れるぞ」

トレーニングジムが建物内に併設されたコンセプト型のシェアハウス、それが筋トレシェアハウス東池袋である。パーソナルトレーニング付きの居住プランに加えて、普通居住に限定した賃貸プランの2通りの住み方を選ぶことが出来る。池袋駅から徒歩15分、地下鉄有楽町線東池袋駅まで徒歩5分と都心の好立地にあり、今では満室が続く人気の物件だ。

しかし、数か月前まで、この場所にスポットライトが当たるとは誰も思っていなかっただろう。
文京区内の閑静な住宅街。鬱蒼と生い茂った木々に囲まれ、忘れ去られたかのようにこの物件は放置されていた。持ち主の両親が工場兼住居として暮らしていたものの、5年ほど前に空き家となり、以後は誰も使わなくなってしまった。

最初に物件の中を見たとき、残置物が天井の高さまで積まれ、部屋の向こう側すら確認できなかった。空き家期間の長さも相まって家中に埃が積り、視界もどんよりとしていた。ようやく撤去して建物内の全貌が見えたとき、当時の堅牢な作りは健在だった。中でも倉庫部分が我々の目を引いた。

この物件の特徴は木造の住居部分と鉄筋コンクリート造の倉庫部分で構築されていることだ。築年数は不詳で長い時間が経っていたものの倉庫部分は堅牢な作りで、特に亀裂や雨漏りなどもなく、修繕は簡単にできそうだった。かつて持ち主の父親が電気工事士の資材置き場として使用していた倉庫部分。また住居部分も痛みは少なく、建物への丁寧な管理から、故人の仕事への熱意を感じると同時に、物件のメンテナンスを定期的にしていた姿が浮かび上がった。延べ床面積は約150㎡、どう活用するかが焦眉の課題だった。

草木をかき分けて物件に入り、最奥部にはRCの倉庫がある。冒険をしているようなワクワクする秘密基地のような造りは、男性向けシェアハウスとして最適だった。物件のコンセプトを決めるうえで最も重要な要素となったのは「秘密基地感」だった。

 

筋トレシェアハウス構想として動き出す

単に男性向けシェアハウスとしてリノベーションを施すのではなく、せっかくの倉庫部分を有効活用できないかと我々は思案した。真っ先に浮かんだのがトレーニングジム。鉄筋コンクリート造は木造よりも防音性や耐久性の面で優れている。数百キロはあるスミスマシンを置いてもびくともせず、また成人男性が体重をかけてトレーニングをしても建物の構造に影響しない。かつて職人が精魂つぎ込んだ倉庫は、男たちが筋トレに明け暮れる場所としてぴったりだったのだ。

シェアハウスは「共同で生活を送ること」に価値がある。共通の目標をもった人たちをシェアハウスに集めれば、互いを刺激して高めあえる環境を創出することもできるのだ。トレーニングジムはその空間として大きなポテンシャルを秘めていた。

しかし、単にモノを置いただけでは人は動かない。そこで考案したのが、パーソナルトレーニング付きの居住プランだった。

筋トレは孤独な営みだ。筋トレを通じて自分を変えたくても人はなかなか続かない。一般的に筋トレでの変化が目に見えて生じるのは3ヵ月程度かかるといわれる。だからこそ、その間に伴走してくれるトレーナーをこちらが用意し、トレーニングや食事指導などを行う。トレーナーと空き家再生という共創事業として筋トレシェアハウス構想がここに出発したのだった。

 

トレーナー、工務店とタッグを組む

工事の協力をお願いしたのは東京都豊島区の工務店、株式会社さくら工房(https://sakura-ko-bo.com/)。
昔ながらの木造在来建築の施工に長け、シェアハウスの工事を何件も手掛けている。また過去にシェアハウスや宿泊施設の企画及び管理運営をしてきた実績もある工務店だ。

同時期にパーソナルトレーナーとしてSNSで総フォロワー数3万人以上を誇る、そらさん(https://www.instagram.com/sora__10_03/)に快諾してもらった。
こうして筋トレシェアハウス実現へのチームが出来上がった。

工事前にトレーナーに物件を見てもらい、倉庫部分を見てもらった。最高の環境で指導してもらうためにも最高の環境を用意する。そう思った矢先、大きな壁に直面した。倉庫部分の天井高がマットとマシンを置いた場合の高さに満たなかったのだ。スミスマシンの高さは約2.3メートルある。さらにジムの床には30センチ程度のゴムマットを敷くため、ある程度の天井高がないとジムは作れない。

浮上した案は次の通りだった。コンクリートの天井を解体して、一部を吹き抜けにする。コンクリートにカッターで切り込みを入れ、ハンマドリルで打撃を加えて粉砕する。解体こそ容易なれども復元作業が複雑だった。しかし、結局倉庫部分での工事は断念することとなる。決め手は物件近くが狭い路地ばかりで、ポンプ車を呼んでコンクリートを流し込む作業が極めて困難なことだった。結果的に、天井高が十分にあるリビング横のスペースをジムとして活用することになった。

木造住宅部分であるリビング横スペースで、マシンの重さとトレーニングの耐荷重に耐えられる構造をどう作るかが問題だった。そこで既存の大引き材を生かしつつ、105mm角の木曽檜無垢材(自然乾燥材)を井桁型に組み、機材の真下になる付近には、追加で束石と束柱を入れ込んだ。その上に24mmの合板を貼り付けた上に、50mmのゴムマットを敷き込み、耐久性を確保した。いわゆる根太工法ではなく剛床工法と呼ばれる工法を採用し、さらにマシン設置用に頑強に補強したのだ。

トレーニングジムの真上は居住空間であり、外は住宅街である。それゆえ防音に配慮した造りになっている。壁はプラスターボード12.5mm厚を両面から2枚ずつ張り合わせ、天井はプラスターボード9.5mmを2枚張りに。また、壁天井の中にはロックウール100mm厚を伏せ込んだ。早朝や夜遅くのトレーニングの際にも、騒音でほかの人の生活リズムを邪魔せず、共同生活が円滑に行われるような工夫を凝らした。

 

筋トレシェアハウス

筋トレシェアハウスは、入居者が定期的にパーソナルトレーニングと食事指導を受けながら、目標とする肉体改造に集中できる環境を提供できるコンセプト型のシェアハウスだ。シェアハウス内にはジムが併設されており、シェアハウス専属のトレーナーが入居者に週に1回指導を行う。

シェアハウスでは単なる肉体改造だけでなく、食事や栄養、トレーニング、メンタルなどに関する正しい知識を身に付け、入居者に一生使える知識を提供することを目的としている。そのため、トレーナーには24時間いつでも質問ができたり、毎日食事指導を受けられたりといった特典を受けることができる。また月1回コーチングの専門家や管理栄養士の方を講師としてお呼びし、勉強会を開催することで、入居者には多面的な知識を身に付けてもらうよう企画している。
同じ目標を共有する入居者が「仲間」として互いを励まし合いモチベーションを持続しやすい環境にあること、家の中にジムがあるためジムに行く手間がかから