リフォーム費用はオーナー持ち?? 築古賃貸物件に再び活気が! 民泊「和氣会々 新大久保」

所有物件が古くなってきた、相続したけどこのままでは使い物にならない、リフォームが必要だけどその費用をまかなう余裕はない。そのようなお悩みを抱えるオーナー様は多くいらっしゃると思います。
弊社サービス「フリーノベーション」はオーナー様のリノベーション費用負担がゼロ。お持ちの物件を弊社負担でリノベーションし、家賃収入も得られます。

取り壊しも含め、物件の活用にお悩みのオーナー様は、ぜひ一度ご相談ください!

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依頼の流れ・現地調査

今回は、弊社のサービスを知って下っている業者様からのご依頼でした。賃貸として出されていた築60年程の木造2階建ての建物。
建物の老朽化が進み、リフォームが必要な状態ではあるけれどオーナー様の自力では難しいとのことで、弊社に話が舞い込んで来ました。

1階が戸建て、2階が3部屋のアパートという造りです。
築年数相応の修繕が必要ではありましたが、新宿から1駅、最寄駅からも徒歩2分という好立地に期待が持てました。

コンセプト

新宿から徒歩圏内、繁華街にありながらも大通りを1本入ったところにある建物周辺はとても静かで、運用先としてはシェアハウス・民泊ともに非常に魅力的でした。

こちらの物件は、弊社が民泊事業を始めて間もない頃に携わらせていただいた案件。実績を伸ばすためにも民泊として運用していくことを決めました。

1階の戸建て部分は、今の時代には珍しい立派な玄関、そして門構えがあったので、これを活かすためにも古民家調のまま整えることに。壁は昔の家によく見られた漆喰にする、浴室は民泊のスタンダードになりつつあるシャワールームではなく浴槽を残すなど、古き良き日本を推し出す大まかなデザインを決定しました。

2階のワンルーム3部屋のアパート部分は、大人数で宿泊可能な民泊スタイルにするため、すべての壁を取り払ってワンフロアに。古き良きイメージは共通してありながらも、1階とは違う洋風コンセプト、ヴィンテージ風デザインにすることになりました。

工事過程

あるものを活かすことは古民家再生において最も重要な部分ですが、古いものをきれいに見せる・丈夫に整えることは全てを新しくすることよりも手間がかかります。

その内のひとつが、虫対策です。
古民家リノベーションでは必ずと言って良いほど悩まされる虫問題。築年数ゆえの歪みや傾きから隙間や溝が生まれ、古民家は虫が発生しやすくなっています。また、水道管や排水溝工事の際に空いた穴も虫の侵入経路となるので、そういった欠損部分を洗い出し、修繕することが急務となりました。

内装工事では、まずは壁・床の取り壊しが始まります。

今回1階はあまり大きな変更はありませんが、2階アパート部分は3つの独立した部屋がひとつにまとまり、かなり印象が変わりました。古民家はふすまや障子で部屋が区切られているため、取り外せない柱や梁が多く、正直良い間取りとは言いづらい面があります。
良い間取りとは、現代でいうとリビングスペースがしっかりあり、居室や寝室等各部屋のすみ分けがきっちりしていて動線もスムーズ、また障害となる柱や壁がないことなどが挙げられます。そんな生活のしやすさに加え、民泊事業においては写真写りも重要になってきますので、それらが整いづらい古民家の造りには毎度頭を悩ませています。

今回も部屋の中心に柱が残ってしまったり、インパクトのある大型家具が置けなかったり、いかにして「映え空間」を作るかが要点になりました。

【1階】

・玄関

木製の引き戸、床には石が敷き詰められ、高い上がり框の、広々とした玄関。入った瞬間に古民家を感じさせる、インパクトのある造りです。ガラスを張り替え、色を塗りなおし、弱っている部分を補強しました。

・壁

最近の住宅は壁紙を貼ることがほとんどで、その方が手間も省けますが、古民家との相性を考えるとやはり昔ながらの漆喰塗りがベスト。

1階は各部屋、そして廊下と、ほぼ全ての壁を漆喰で塗っています。下地から始まり数回の重ね塗りをしてコーティングまで、職人さん泣かせの漆喰塗りです…(笑)。

・浴室

古民家をコンセプトにしている1階は元の浴室を活かすかたちで、浴槽を交換し、壁のタイルは埋めて清潔感のあるデザインに。民泊では珍しい浴槽付きの浴室です。場所柄もあり、ほとんどが外国からのお客様なので、日本を感じられる湯舟は大変喜ばれています。

【2階】

・リビング&ダイニング

1階とは打って変わって洋風なデザインの2階。ダイニングテーブルは高さのあるカウンター仕様にしました。
ちなみにこちらは、部屋のサイズ感や雰囲気に合わせた、職人さんの造作です。

繁華街の中にありながらも静かな周辺環境に合わせ、秘密基地のような裏設定も。ダークカラーの壁紙や、インテリアも落ち着いた色合いのものをセレクトしています。

・浴室

アパートの各部屋には浴室がなかったので、新しくシャワールームを設置。その分、ダイニングや寝室等は余裕のある間取りが実現しています。

・扉

各部屋につながる扉も、ダイニングテーブル同様造作です。
民泊物件では元々ある部屋を貸し出すかたちがほとんどですが、弊社はリノベーションを施し一からデザインを作っていきます。

オーナー様の思い入れのある建物を活かしつつ、よりお客様が付きやすい完成度の高い施設づくりができる点は、弊社の強みのひとつです。

オーナー様の感想と今後の課題

リノベーションが完了した後、可能な限りオーナー様には現地での完成の報告を行っています。

今回のオーナー様は関東近郊にお住いのご夫婦でしたので、現地に足を運んでくださり、直接喜びの声をいただくことができました。
特に漆喰の壁が珍しく、気に入っていただけたようです。

実際、一般的な住宅の壁材はクロス(壁紙)が9割以上、残りは塗装で漆喰は1%にも満たない割合なのです。
取り壊すのではなく活用を考えるオーナー様の中には、建物への愛着や思い入れを強くお持ちの方も多くいらっしゃいます。残せるものは残し、現代風に生まれ変わった様子に、喜びや驚きの反応をいただけるのはこの仕事をしていて1番のやりがいを感じられる瞬間です。

一方で、宿泊事業の初期に携わらせていただいたこちらの物件には、今となっては多くの改善点も実感しています。

ひとつは、写真映えの意識。

数ある民泊施設の中で目に留めてもらうには、インパクトのある色味やデザイン、写真映えが想像以上に重要になってきます。古民家は特に、茶・白・黒が基調で暗くなりがち。ちょっと派手かな?と感じるくらいの、コテコテなものを入れた方が受けが良いことを、実績を重ねる中で感じました。

もうひとつは、壁紙について。
先述のように、クロスは便利ですが宿泊業だとコストパフォーマンスが悪いことがわかりました。

一般的な住宅でしたら問題はありませんが、スーツケースや大荷物を伴う移動が多い民泊施設では、傷がついたり破れたり、2~3か月で交換が必要な状態となりました。修繕の時間や予算を考えると、手間はかかりますが塗り壁が良いのではないかという結論に現在は至っています。

弊社は現在、月に1件のペースで新施設の契約・工事に取り掛かっています。
築古・欠陥等お悩みを抱えるオーナー様の力になれるよう、今後も毎物件真摯に向き合っていきたいと思っています。

弊社の活動

弊社は古民家を中心とした空き家活用サービスを提供している会社です。

弊社の事業「ココミンカ」では、古民家再生事業を広く知っていただくため、一般の方や不動産オーナー様に向けて、DIY体験や内覧会、懇親会などのイベントを開催しています。

なぜこのようなイベントを開催しているかというと、私たちが工事に入るとほぼ毎回のように、近隣の皆様から「何の工事をしているの?」との質問をいただくのですが、そこには”長年抱えてきた不安や悩みの種”といったネガティブな感情が込められていることが多いように感じるからです。
そして、空き家は空き家でも古民家(明確な定義はありませんが、国の制定する文化財登録制度の元では築年数が50以上のものを指す)は特にそういった傾向にあります。

たしかに、放置された空き家による日照遮断、虫の発生、悪臭被害といったトラブルは年々増加しています。
しかし、本来は伝統や古き良きものを残し、再生する可能性を秘めた古民家、空き家。ネガティブな面ばかりが先行してしまうのは、その実態がクリアになっていないからだと我々は感じています。
なので、弊社がたずさわる物件にお招きして、再生の一部を見て・体験していただき、変わっていく様子を自分事として感じてもらう。そうすることで、未知で不安の種だった空き家に、興味や価値を見出していただけるのではないか。

私たちが行うさまざまなイベントやDIY体験会にはそんな意味があります。
実際に一部始終を見ていただいた皆様からは「同じ建物とは思えない」「リノベーションするとこんなに素敵になるのね」と温かなお言葉をいただいています。

民家再生は、ただ建物を綺麗にするだけで終わりではありません。
再び地域に迎え入れていただく関係性づくり、そして利用者に安心して過ごしてもらえる環境・空間づくり。

ココミンカではそこまでが「古民家再生」だと定義しています。

民泊詳細情報

◆ 民泊「和氣会々 新大久保」
◆ 総武線「大久保駅」徒歩2分
◆ 2023年8月10日OPEN